アニメーション映画『白蛇伝』

ついにあの宮崎駿監督に多大な影響を与えたという、東映アニメーション長編映画『白蛇伝』を全編通して観ることができました!

これ期間限定でYouTubeで無料配信してるんだけど、今月15日(2025年1月15日)までの配信らしいので、もしこのブログを読む人がいたら、もうきっと配信終わっちゃってると思うんだけど。

どうやら今年が巳年ということを記念しての公開ということで。

東映動画(現:東映アニメーション)制作のアニメーション映画『白蛇伝』(1958年公開)が、 2025年「#巳年 」の始まりにYouTube期間限定公開! 中国の古くより伝わる「白蛇伝」は、白ヘビの化身である白娘(パイニャン)と、その恋人・許仙(シュウセン)との美しい愛の物語。映画『白蛇伝』は、この民説をもとにした、日本最初のカラー長編劇場用アニメーション映画です。 日本の長編カラーアニメーション映画の原点ともいえる作品を、2025年令和最初の巳年の始まりに是非お楽しみください! ■本編映像について 本編は、1958年の劇場公開当時の映像を可能な限り復元し、2019年のカンヌ国際映画祭カンヌ・クラシック部門でも正式上映された新規4Kマスターを元の素材にした映像となります。 ■配信期間 2025/1/1(水)午前0時~2025/1/15(水) 午前0時まで(2週間) ※2025/1/1 (水)午前0時よりプレミア公開 ■作品情報 ・作品の詳細あらすじ・解説(東映アニメーション作品ラインナップより) https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/mov… ・公開 1958年10月公開 ・キャスト 森繁久彌/宮城まり子 ・メインスタッフ 原案:上原信 製作:大川博 企画:高橋秀行/赤川孝一/山本早苗 監督・脚本:藪下泰司 音楽:木下忠司/池田正義/鏑木創 構成美術:岡部一彦/橋本潔 台詞構成:矢代静一 原画:大工原章/森康二 【『白蛇伝』Blu-ray BOX発売中】 https://www.toei-video.co.jp/special/… 販売会社/発売会社:東映ビデオ(株) 【『白蛇伝』デジタル4Kリマスター版映像情報】 復元:東映株式会社、東映アニメーション株式会社、国立映画アーカイブ デジタル復元:東映ラボ・テック株式会社、東映デジタルセンター ©東映

で、なんで私がこの映画を観たかというと、昔、すごく小さい時にテレビで途中だけ偶然観た記憶があって、その印象がすごく強かったんですね。

もう当時、再放送なんだけど、80年代だと思うんで。この映画自体は1958年公開だからね。

で、まだ確かビデオデッキでテレビ番組を一般家庭が録画できるには、少し早かったと思うのね。少なくともまだうちにはビデオデッキがなかったと思う。

で、ストーリーとか全然覚えてないし、途中から観てるからもう結末も何も覚えてないし最後まで観たかも定かじゃない。それなのに、ある1場面がすごい強烈に印象に残っていて。

それと、「何かすごく美しいものを観たな」っていう印象・記憶が幼いながらも残ってたの。

で、のちにジブリ作品とか宮崎駿のこととか知るようになって、あの宮崎駿監督がすごい影響を受けた映画らしいぞ、とか知識を得るわけですよ。

それでいつか機会があれば、ちゃんとこの『白蛇伝』を観たいと思っていたのね。

そしたらYouTubeで巳年を記念して無料で観ることができる!じゃあ是非観ましょうということで観たのです。

一言で言うて、ああ、やっぱり歴史に名を残してる作品は違うな、と。

もうね、この映画には感動したんですよ。

ああ、自分にもまだ、こういう映画を観て感動できる綺麗な心が残っていたんだな…って。

ストーリーはね、そりゃ現代から見たらツッコミどころはありますよ、でもね、そんなのは作り手だってわかってるし、子ども向けだけど子ども騙しじゃないんですよ。

子ども向け作品の様式みたいなもので、ストーリーの中の瑣末なツッコミ点は、お約束だから。そんなものはいいんです。

限られた時間の中で、とにかく伝えたいことを伝える、表現したいことを伝える。

あのね、こんな美しい作品を子どもの頃に観た人はね、動物虐待なんかしないし、できないですよ。

私の拙い文章ではね、上手く表現できないんですけど。

私この『白蛇伝』をこたつに入って観たんですが、その前にね、飼い猫2匹を動物病院に避妊手術に連れて行ったんです。

2匹とも生後5ヶ月くらいで、保護猫で人間がミルクで育ててるんです。その内の1匹はまさに私がミルクを飲ませて育てたんですけどね。

で、その子猫がね、動物病院に連れていく車の中でずっと鳴いてて。

あまり猫って鳴かないらしいんですけど、その子も普段はそんなに鳴かないけど、最近、私だかもう1匹の猫を呼ぶ時とかに鳴くようになったんですよ。

で、ああ呼んでるんだな、とか思うと可愛くて可愛くて。

そんな子猫を2匹も避妊させるために病院につれていくということをやって、なんか精神的にちょっと、こういう可愛らしい雰囲気の映画でも観たいな、それで自分を浄化したいな、って気分でこたつに入ってYouTubeをテレビに映したわけです。

実はその前にね、前日なんですけど、胸糞悪くなるような動画をこれまたYouTubeで観ちゃってね。

なんか年配の男性の兄弟が自分の飼ってる犬を使って野良猫を…ていう噂を確かめに行く動画なんですよ。

その動画に出てくるのがね、リアルで「鬼畜の所業」と表現したくなるようなことをしてる兄弟なんですよ。

でもね、彼らにももしかしたら…言い分はあるんでしょうけど(いや、わかんないけど)。

でもね、彼ら子どもの頃にこういう『白蛇伝』とか観たことあればね、こんな人にならなかったんじゃないのかなって。

やはりね、子ども向けの映画や作品は、綺麗事じゃなく本当に綺麗なものを、子どもたちに「魅せる」という気構えで制作されたものであって欲しいですね。

そしてこの『白蛇伝』はね、そういうものだと思うんですね。

なんか作り手のそういう「気迫」が、流麗な線や温かみのあるキャラクターに反映されてるんだと思う。

戦争が終わって、とにかく美しいもの、楽しいものを子どもたちに伝えようっていうコンセプトがあったのかなと。

こういう映画を観たらね、あんな兄弟は生まれないと思うんだよなあ…。

でも昔は普通に野良猫に今じゃ考えられないことをしていたらしいからね。

便槽の中に入れちゃうとかさ…。

私も子供の頃、父の実家で叔母からそんな話を聞いたことがあります。実家は田舎の農家で、餌は残り物をやって半分野良みたいに猫を飼っていて、外で子供を産むと 泣き声を頼りに探して、1匹だけ残して便槽に捨てたと。そうしないと親猫が子猫を探し回ってうるさいからと。小さな子供の頃聞いたのでよく分からないでいましたが、お話と同じなので思い出してゾッとしました(コメント欄より)

あの兄弟もそういう時代から進歩してないのかもね。

それにしてもやっぱりね、非道いと思う。

久々に「畜生道」という言葉を思い出しましたよ。

畜生道とは、仏教において、人間以外の動物に転生する世界を指します。傍生(ほうじょう)とも呼ばれます。(AI による概要

解説(AI による概要

  • 畜生道は、天道、人道、阿修羅道、餓鬼道、地獄道とともに六道と呼ばれる世界の一つです。
  • 生前の行いによって、死後に六道いずれかの世界に生まれ変わると考えられています。
  • 畜生道では、鳥や獣、虫などに転生し、苦しい労働や生命の危機にさらされます。
  • 畜生道は三悪道(三悪趣)のひとつで、苦しみや迷いに満ちた世界です。
  • こうした悪道から抜け出し、極楽へ往生することを人びとは願いました。

要は動物(畜生)だから虐殺してもいいって考え方なんですかね?

有閑倶楽部の雲海和尚の

「バチ当たりめ。碌な後生を迎えんワイ」

というようなセリフがあったような気がするけど、それも脳の中で再現されましたよ、森繁久弥さん風の声で。

『白蛇伝』の中で一つ不満があるとすれば、本当の最後のラストシーンで主人公の友達(飼ってた?っていうより仲間って感じだけど)のパンダと猫が、主人公カップルとお別れするシーンだよね。

物語上、恋人たちの門出で二人だけで、ってのはわかるけどさ。やっぱりパンダと猫は連れて行って欲しかったよ…。泣きそうになった。

あと、私が子どもの頃に記憶に残ってた場面は、実際に改めて今回観てみたら、なんか印象と少し違ってたね。

やっぱり記憶の方が少し美化されてたというか、もう少し長いシーンだと思ってたら思ってたより短かったのね。

白蛇の精が人間の姿を保てなくて蛇になって、その姿を恋しい人間の男に見られたくないだろうと、召使の女の子が布かなんかで、覆い隠すんだけど。

その布の下で蛇の体、蛇身が蠢く様子が布の動きで表現される場面があるけど、そこがすごい記憶にあって。

で、今回YouTubeで観たら、「こんなに短い場面だったのか」と。

おそらくだけど、この召使の女の子の優しい気遣いというか、主人を想う優しさが子ども心に、「いいな」って思ったんだよね、きっと。

私、本当はヘビ大嫌いなんだよ、でも全然気持ち悪いとか思わないで、「美しいものを観たな」って記憶しかなかったんだよね。

だからやっぱり、たいしたもんだよね、この映画は。

でも時間が経って映画の色も僅かに褪色してるってYouTubeのコメント欄にもあったしね。私の記憶の中のテレビ画面の方が、もしかしたら色も鮮やかだったのかな、とも思うんだよね…。

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